社労士との顧問契約を解約した。自分でやることは何が増えたのか

結論

社労士の顧問契約を解約して、給与計算を自分でやるように切り替えました。 コストは月20,000円から月3,000円程度になり、年間で約204,000円下がっています。 移行作業そのものは約2時間で終わりました。

ただし「安くなって終わり」ではありませんでした。 顧問料と一緒に、「いつ何をやるかを管理してくれる人」も居なくなります。 増えた仕事は計算作業ではなく、年間スケジュールを自分で把握することでした。

こんな方に読んでほしい

  • 社労士の顧問料が負担で、解約を考えている小規模事業者の方
  • 給与ソフトを入れれば全部自動になると思っている方
  • 解約後に何が自分の仕事になるのか、事前に知っておきたい方

「ソフトを入れれば自動」だと思っていました

筆者が解約を決めた理由は、社労士の対応への不満ではありません。単純にコストです。 毎月の給与計算は同じことの繰り返しで、これに月20,000円を払い続けるのは 重いと感じていました。

移行そのものは拍子抜けするほど簡単でした。従業員データは CSV で取り込み、 作業が止まるようなエラーには一度も遭遇していません。所要時間は約2時間です。

問題はそのあとでした。ソフトは「計算」はしてくれますが、 「そろそろあの手続きの時期です」とは言ってくれません。 社労士に任せていた頃は、期限の管理も相手側がやってくれていたことに、 解約してから気づきました。

社労士に払っていたお金の中身を分解してみる

解約してから振り返ると、月20,000円の顧問料には 少なくとも3つの異なるものが含まれていたと筆者は考えています。

内訳自力で代替できるか
給与計算の実務ソフトで代替できた
年間スケジュールの管理仕組みを作れば代替できる
労務問題が起きたときの相談先代替できない

ソフトを導入すれば1つ目は解決します。 筆者が見落としていたのは2つ目で、 3つ目については今も「必要になったらスポットで依頼する」と考えています。

社労士には顧問契約とは別に、手続き単位で依頼できるスポット契約もあります。 顧問契約を解約したからといって、 専門家に相談する道が閉じるわけではありません。

自分で管理することになった年間スケジュール

解約後に自分で把握することになったのは、次のような年間の手続きです。 時期が決まっているものは、カレンダーに入れてしまうのが結局いちばん確実でした。

時期やること期限
1月法定調書合計表・給与支払報告書の提出1月31日
3月健康保険料率の改定を給与ソフトに反映3月分(4月納付分)から
4月雇用保険料率の確認・設定年度替わり
5月住民税の特別徴収税額決定通知書を受け取る5月中に届く
6月労働保険の年度更新、住民税の新年度分に切り替え年度更新は6月1日〜7月10日
7月算定基礎届の提出7月1日〜7月10日
9月標準報酬月額の改定を反映9月分(10月納付分)から
11〜12月年末調整12月または1月の給与で精算

筆者はこの一覧を AI に作らせてリスト化し、スマートフォンのリマインダーに 登録して管理しています。記憶に頼るのをやめたのは、 一度でも忘れると取り返しがつかない項目が混ざっているからです。

やり方は単純です。上のような年間の手続きを AI に一覧化してもらい、 それぞれの期限の少し前に通知が来るようリマインダーを設定するだけです。 毎年同じことの繰り返しなので、一度作れば翌年以降は使い回せます。

社労士に払っていた月20,000円のうち、実質的な価値のかなりの部分は 「期限を管理してもらうこと」だったのだと、切ってから気づきました。 逆に言えば、その部分はリマインダーで代替できます。

リマインダーに入れるときのコツ

リマインダーを設定するとき、筆者が意識したのは 「期限の日」ではなく「作業を始める日」を入れることです。

たとえば算定基礎届の提出期限は7月10日ですが、 その日に通知が来ても間に合いません。 6月分の給与計算が終わらないと数字が確定しないので、 実際に手を動かすのは6月の給与計算直後になります。

同じように、年末調整も12月に通知が来たのでは遅すぎます。 従業員から書類を回収する時間が必要なので、 11月のうちに動き出す必要があります。

期限から逆算して、準備に必要な日数を引いた日を通知日にする。 これだけで、慌てる場面がかなり減りました。

費用はどう変わったか

項目解約前解約後
社労士 顧問料月20,000円0円
給与ソフト利用料月3,000円程度
差額月17,000円の削減

年間では約204,000円です。 移行作業に約2時間かかっていますので、その2時間で年間20万円を回収した計算になります。

ただし、タダで浮いたお金ではありません。 その分の作業は自分に移っています。

筆者の場合、自力運用に切り替えて増えた作業は月に数時間程度です。 そこまで負担が増えていないのは、会社が小規模で、 従業員の入退社がほとんど発生しないからです。

入退社のたびに資格取得・喪失の手続きが発生することを考えると、 人の出入りが多い会社では、この「数時間」は簡単に膨らみます。 月17,000円の削減と、増える作業時間を天秤にかけて判断することになります。

解約を検討している方への判断材料

筆者の場合は、次の条件が揃っていたので自力運用に切り替えられました。

  • 給与計算が定型的で、イレギュラーな対応がほとんど発生しない
  • 従業員の入退社が頻繁ではない
  • 分からないことを自分で調べる時間が取れる

逆に、従業員が多い会社では筆者は勧めません。 理由は単純で、人が増えるほど手続きの発生件数が増えるからです。

入社すれば資格取得届、退職すれば資格喪失届、 扶養が変われば異動届と、人数に比例して作業が積み上がります。 筆者の月数時間という数字は、人の出入りがほとんどない前提での話です。

また、労使トラブルを抱えている場合や、複雑な就業規則の変更を予定している場合も、 専門家に相談したほうが結果的に安く済むと筆者は考えています。 給与計算の代行と、労務問題への対応は別の話です。 コストだけを見て両方まとめて切ってしまうと、判断を誤る可能性があります。

まとめ

社労士の顧問契約を解約して、コストは月20,000円から月3,000円程度になりました。 増えたのは月数時間の作業と、年間スケジュールを自分で管理する責任です。

計算はソフトがやってくれますが、 「いつ何をやるか」は誰も教えてくれません。 そこを AI で一覧化してリマインダーに入れる、というのが筆者の今の運用です。

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※本記事は筆者自身の経験に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言や個別の労務相談への回答ではありません。個別のケースについては社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。記載内容は執筆時点の情報に基づきます。

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