社労士なしで期限を忘れないためにやっていること|年間タスクのリマインダー化

結論

社労士との顧問契約を解約してから、筆者が最初にやったのは 年間の実務スケジュールをAIに一覧化させ、スマートフォンのリマインダーに登録することでした。

給与ソフトは計算はしてくれますが、「そろそろこの手続きの時期です」とは 教えてくれません。この「気づく仕組み」を自分で作る必要があります。

こんな方に読んでほしい

  • 社労士やアウトソースから自社運用に切り替えたばかりの方
  • 「切り替えたはいいが、何をいつやればいいか分からない」方
  • 手続き忘れが怖くて自力運用に踏み切れずにいる方

なぜこれが必要になったか

社労士に依頼していた頃は、期限の管理も相手側の仕事でした。 「そろそろ算定基礎届の時期です」と連絡が来て、初めて動く形です。

自力運用に切り替えると、この「連絡が来る」仕組みが無くなります。 給与計算自体はソフトが代わりをしてくれますが、 いつその作業をするかは、誰も教えてくれません。 これに気づいたのは、解約してしばらく経ってからでした。

年間で管理することになった手続き

時期やること期限の目安
1月法定調書合計表・給与支払報告書の提出1月31日
3月健康保険料率の改定を反映3月分(4月納付分)から
4月雇用保険料率の確認・設定年度替わり
5月住民税の特別徴収税額決定通知書を受け取る5月中
6月労働保険の年度更新、住民税の新年度分に切り替え6月1日〜7月10日
7月算定基礎届の提出7月1日〜7月10日
9月標準報酬月額の改定を反映9月分(10月納付分)から
11〜12月年末調整12月または1月の給与で精算

これだけの数の手続きが、社労士がいた頃は見えていませんでした。 すべて向こうが把握してくれていたからです。

社労士がいた頃と何が違うのか

一般に、社労士との顧問契約には「手続きの実行」だけでなく 「手続きのタイミングを判断すること」も含まれています。 契約書上は明記されていなくても、実務上はこの2つがセットになっていることが多く、 解約するとその両方が自社に戻ってきます。

筆者が見落としていたのはこの2つ目でした。 給与計算の代行はソフトで代替できると分かっていましたが、 「いつ動くべきか」の判断まで自分に戻ってくることは、 契約を切る前には想像していませんでした。

リマインダー化のやり方

筆者がやったのは次の2ステップです。

  1. 1. 上のような年間の手続き一覧をAIに作らせる
  2. 2. それぞれの期限の少し前に通知が来るよう、スマートフォンのリマインダーに登録する

ポイントは、「期限の日」ではなく「作業を始める日」を登録することです。

たとえば算定基礎届は7月10日が期限ですが、 その日に通知が来ても間に合いません。6月分の給与計算が終わらないと 数字が確定しないため、実際に手を動かすのは6月の給与計算直後になります。

同じように年末調整も、12月に通知が来たのでは遅すぎます。 従業員から書類を回収する時間が必要なので、 11月のうちに動き出す必要があります。

期限から逆算して、準備に必要な日数を引いた日を通知日にする。 これだけで、直前になって慌てる場面がかなり減りました。

毎年使い回せる

この一覧は毎年ほぼ同じ内容の繰り返しです。 一度作ってしまえば、翌年以降も同じリマインダーを使い回せます。

社労士に払っていた顧問料のうち、実質的な価値のかなりの部分は 「期限を管理してもらうこと」だったのだと、 このリマインダーを作ってから気づきました。

実際どれくらいの手間になるのか

参考までに、筆者の場合の全体像を書いておきます。

社労士の顧問契約を解約したことで、費用は月20,000円から 月3,000円程度になり、差額は月17,000円、年間で約204,000円です。

その代わりに増えた作業は、月に数時間程度です。 このうち、上の一覧の「気づいて動く」部分にかかる時間は 数十分程度で、大半は給与計算そのものの時間です。

つまり、リマインダーの仕組みを作る初期投資(1〜2時間程度)さえ済ませれば、 その後の運用負荷はそれほど大きくありませんでした。 負担が大きいのは「忘れないようにする仕組み作り」の最初の1回だけです。

この方法の限界

リマインダーが教えてくれるのは「いつやるか」だけです。 「どうやるか」までは教えてくれないので、各手続きのやり方は その都度調べるか、別途まとめておく必要があります。

また、突発的な手続き(従業員の入退社に伴う資格取得・喪失届など)は このリストには入っていません。年間の定例業務と、 都度発生する手続きは分けて管理する必要があります。

一般に、従業員の入退社が多い会社ほど、このリマインダーだけでは カバーしきれない部分が増えます。定例の年間タスクと、 発生の都度対応する手続きの両方を扱う必要がある会社では、 リマインダーはあくまで最低限の仕組みと考えたほうが安全です。

制度が変わったときはどうするか

社会保険料率や税制は年ごとに改定されることがあります。 リマインダーは「いつやるか」を教えてくれますが、 「今年から何が変わったか」までは教えてくれません。

筆者はこの点について、給与ソフト側が制度改定に対応してくれることを 前提にしています。ソフトが対応版を配信するタイミングを見て、 その後に作業をするようにしています。 逆に言えば、ソフトの対応が遅れている状態で作業を進めると、 古い基準のまま計算してしまうリスクがあります。

まとめ

社労士との契約を切って自力運用に切り替えるとき、 費用の削減額(年間約20万円)ばかりに目が行きがちですが、 実際にやってみて重要だったのは、この「気づく仕組み」を どう作るかという1点でした。

  1. 1. 年間の手続き一覧をAIに作らせる
  2. 2. 期限ではなく「作業を始める日」でリマインダーを登録する
  3. 3. 一度作れば翌年以降も使い回す

この3ステップだけで、社労士がいた頃と同じ「気づける状態」を 自分で再現できています。

※本記事は筆者自身の経験に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言や個別の労務相談への回答ではありません。個別のケースについては社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。記載内容は執筆時点の情報に基づきます。

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