給与データのフォーマット変換、手作業でやる前にAIに頼んだほうがいい話

結論

給与ソフトを移行するとき、いちばん時間がかかるのは 従業員データを集めることではなく、手元のデータをソフトが求める CSV形式に合わせる作業でした。

筆者はこれを手作業でやり、終わったあとで AIに任せられる作業だったと気づきました。 この記事では、その方法と注意点をまとめます。

こんな方に読んでほしい

  • これから給与ソフトへの移行を予定している方
  • CSVの列並べ替えや表記統一に時間を取られたくない方
  • 個人情報を扱うので、AIにどこまで任せていいか迷っている方

フォーマット変換で何が起きるか

給与ソフトのCSV取り込みには、決まった列の並び順・項目名・日付の書き方があります。 今まで使っていた資料の形とは、たいてい一致しません。

つまずきやすいのは次のようなところです。

よくある不一致
全角と半角の混在住所のハイフン、番地の数字
日付の書式`1990/1/1` と `1990年1月1日`
列の順序・項目名ソフト指定の並びと違う
余分な空白氏名の姓と名の間のスペース

筆者はこれを表計算ソフトで一列ずつ手直ししました。 CSVの取り込み自体はエラーなく通ったので、 形式さえ合わせれば問題は起きません。ただ、その「形式を合わせる」ところに 最も時間がかかりました。

AIに任せる、という選択肢

作業が終わったあとに気づいたのですが、これはAIに変換ルールを 作らせれば済む種類の作業でした。

やり方は次のとおりです。

  1. 1. 移行前のデータの列構成(項目名だけ。実データは含めない)を書き出す
  2. 2. 移行先ソフトが求めるCSVの見本(サンプル行)を用意する
  3. 3. 「このA形式をB形式に変換する手順・ルールを教えて」とAIに聞く
  4. 4. 出てきたルールを、手元の表計算ソフトの関数や置換機能で適用する

筆者が試していれば、あの時間はもっと短縮できたはずです。

なぜこの作業が発生するのか

一般に、給与ソフトはそれぞれ独自のデータベース構造を持っており、 CSV取り込みの仕様もソフトごとに異なります。 どのソフトを選んでも、移行前のシステムとまったく同じ形式で データを受け取れることはほとんどありません。

そのため、移行作業の見積もりを立てるときは 「データをどう集めるか」だけでなく 「集めたデータをどう整形するか」まで含めて考える必要があります。 後者を見落としていると、想定より作業時間が延びる原因になります。

個人情報を守りながらAIを使う方法

ここが最も注意すべき点です。 従業員の氏名・住所・生年月日などが入った実データを、 そのまま外部のAIサービスに貼り付けるのは避けるべきです。

筆者が考える安全なやり方は次のとおりです。

  • 実データではなく、ダミーデータ(「テスト太郎」「東京都渋谷区1-1-1」など)で

同じ列構成のサンプルを作り、それをAIに渡す

  • AIに聞くのは「変換のやり方・ルール」であって、実際のデータ変換そのものではない
  • 出てきたルール(関数式や手順)を、自分の手元の表計算ソフトで

実データに適用する。この段階ではAIを経由させない

この方法なら、個人情報を一切外部に出さずに、 変換作業だけを効率化できます。

移行全体のなかでの位置づけ

参考までに、筆者の移行作業全体は約2時間でした。 エラーは一度も出ておらず、CSVの取り込み自体はスムーズでした。 時間を取られたのは、取り込む前のフォーマット合わせの部分です。

内訳を厳密に計測はしていませんが、体感では2時間のうち 半分近くがこのフォーマット合わせに費やされています。 ここをAIで短縮できれば、移行作業全体も短くなる計算です。

変換ルールの作り方(具体例)

AIに聞くときは、次のような順番で伝えると回答の精度が上がります。

  1. 1. 元データの列名を並べる(例: 「氏名」「フリガナ」「入社日」「住所」)
  2. 2. 移行先の列名を並べる(ソフトのマニュアルやサンプルCSVに記載がある)
  3. 3. 「1を2の形式に変換するには、それぞれの列をどう変換すればいいか」と聞く
  4. 4. 日付や全角半角など、形式が変わる列だけピンポイントで確認する

筆者の場合、手間取ったのは列の並び順・項目名・日付の書式を 1つずつ揃える作業でした。このような表記の変換パターンは、 事前にAIに聞いておけば一括で置換するルールを教えてもらえたはずです。

それでも手作業のほうが早いケース

一般には、従業員数が少なく列数も少ない場合は、 AIにルールを作らせるより直接手直ししたほうが早いこともあります。 AIへの説明に時間がかかっては本末転倒です。

筆者の会社規模であれば、ルールを一度作ってしまえば 次回以降(他のソフトへの再移行など)にも使い回せるので、 最初の1回に多少時間をかけてでもルール化する価値はあったと考えています。

まとめ

移行作業そのものは約2時間で終わりましたが、 そのうち多くの時間を占めたのがフォーマット合わせでした。 振り返ると、次の3点を意識していれば、もっと短く終わったはずです。

  1. 1. データを集める前に、移行先が求めるCSVの形式を先に確認する
  2. 2. 実データではなくダミーデータでAIに変換ルールを聞く
  3. 3. 出てきたルールを、手元の表計算ソフトで実データに適用する

これから移行する方には、手作業で列を並べ替え始める前に、 一度この手順を試してみることをおすすめします。

※本記事は筆者自身の経験に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言や個別の労務相談への回答ではありません。個別のケースについては社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。記載内容は執筆時点の情報に基づきます。

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